ゴールデンウィークの過ごし方-5日目

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勉強する女の子

家庭教師のタツジン28号です。

 

今回は、K城中学の過去問を取り上げて解説していきます。

 

 最近、中学校入試の国語の問題傾向が変わってきています。以前は、子どもの目線で書かれた、あるいは、子どもの目線で考えることが出来た問題が主流を占めていました。ところが、最近は子どもの思考を超えているというか、子どもの想像力を働かせることができるのかと思われる小説が出題されます。

 

 今回は、K城中の問題を取り上げました。どこまで想像力を働かせて選択肢問題を解かなければならないのかという実例で考えてみます。2018年の二回目のテストです。作品は「宮下奈都」の「つぼみ」に所収されている「まだまだ、」です。女子高生の「私」は、活け花教室に通っています。「型」にこだわる活け花に辟易し、自由で伸び伸びと活けたいと考えますが、その「自由」が曖昧で実体のないことに気づきます。将棋を指す姉や祖母から「型があるから自由になれる」「型には先人たちの間で考え尽くされた定石がある」という助言を受け、彼女は「型」の大切さに目覚めます。同じ活け花教室に通う中学時代の同級生の朝倉くんが彼女の心に寄り添う形で話が展開します。成長し始めている彼女を温かく見守り、そんな彼を男子として意識し始めているところで話が終わります。

この物語を読み進めるにあたっては、二つポイントがあります。一つは、「私」の心の成長が彼女の活けた花を通じて朝倉君が解説していくことです。もう一つは、「活け花」に限りませんが、日本の伝統文化に伝わる「型」を身に付け、そこから解放されて自らの創造性を築き上げていくという展開です。この二つを的確に読み取ることが出来れば選択肢も選びやすくなります。

 

さて、選択肢問題を見ていきます。

 

思った通りに活ける、といったけれど、私の「思った通り」じゃだめなんだと思う。私なんかの思ったところを超えてあるのが花だ。そう朝倉くんの花が教えてくれる。じゃあ、なるべくなんにも考えないようにして活けてみよう。そうして活けた花を見てお花の先生は

しょうがないわねえ」といいつつ基本形を逸脱しためちゃくちゃな花が腹に据えかねたらしく、「私」の花を抜いてしまいます。

 

問題は、「しょうがないわねえ」とあるが、この時の先生の気持ちはどのようなものか、というものです。「私」の名前は紗英です。

 

ア、紗英の花は型をそれて花の美しさが台無しになっており、真剣に取り組めていない紗英の様子を腹立たしく思う気持ち。

イ、紗英の花には迷いが表れていてまとまりがなく、活け花に集中できていない紗英の様子を困ったものだと思う気持ち。

ウ、紗英の花は花の形や個性が生かされておらず、花の基本形を大事にしていない紗英の様子をいらだたしく思う気持ち。

エ、紗英の花からは活け花を愛する気持ちや情熱が感じられず、面白半分で活けている紗英の様子を許せないと思う気持ち。

 

①問題確認作業

紗英の活けた花を見て先生が「しょうがないわねえ」と言っているが、このときの先生の気持ちはどのようなものか、というものです。

 

②設問の指定範囲の言葉の意味確認作業

「しょうがないわねえ」という表現から活け花の先生が、紗英にあきれていることが分かります。先生は、どのような考えの持ち主でしょうか。紗英はどのようなことをしたのでしょうか文脈から読み取っていきます。

 

③④文脈確認作業・前確認(後確認)

「私」は、朝倉くんの花から自分の「思った通り」に活けることには問題があることを教えられ、「なんにも考えないようにして活けて」みます。その花を見た先生が発した言葉です。

 

⑤選択文確認作業

アは、型を大事にする先生の目線で表現されているものだから問題ありません。「真剣に取り組めていない」という表現に彼女なりに真剣に取り組んでいるのではないかとも考えられますが、先生の目線での発言なので問題ありません。イは、「型」についての説明がないから誤り。ウは「花の形や個性が生かされておらず」とあるが、「花の形や個性」を問題にしているわけではないので誤り。エも活け花についての「型」について説明されていないので誤り、ということになります。

 

結論

上位校の問題は、ハイレベルな読解力が求められていることと設問から本文に戻って緻密に読まなければ解けません。とはいえ、基本的な選択肢問題の解き方が身に付いていれば、問題を解く糸口になるということが分かります。

 

次回は、男子御三家レベルの過去問を取り上げ記述問題にチャレンジしたいと思います。