創作力トレーニング

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創作

家庭教師のタツジン28号です。

 

今回は、原和久さんの「創作力トレーニング」を出題したS中学の問題を見ていきたいと思います。筆者は、アメリカで子どもたちを対象に日本語を教える機会に恵まれました。そのような機会に現地の子どもたちが、どのように英語の勉強をするのかということに興味を持ったことが書かれていました。日本を出たことのないぼくにとって、なるほどねぇと思わされる内容だったので選びました。

【あらすじ】

 せっかくのアメリカの学校教育触れる機会があったので、自分の教えるクラスだけでなくいろいろなクラスに足を運びます。現地の子どもたちがどのように英語を学んでいるのか、観察したかったからです。筆者は、いろいろ学ぶことが多かったと言います。特に驚いたのは、教室や図書館で子どもたちがごく自然に小説や詩、あるいは日記やマンガを楽しみながら書いていることでした。小学生や高校生まで程度の差はありますが、どの子どもも「書くこと」が好きで、いろいろなジャンルの作品を筆者に見せに来るのでした。高校を卒業するまでの12年間勉強に明け暮れした筆者の経験では、「漫画」や「詩」、「小説」は受験勉強の弊害と思うようになっていました。社会において言語生活を豊かにしているのは、「読解力」だけではありません。社会人になって人生の質を決めるのは、どれだけ豊かな言語生活を送ることが出来るかにかかっているかと原さんは言います。原さんの学生時代の「国語」体験がいかに硬直し、想像力を欠いたものになっていたか、アメリカの子どもたちの言語生活の豊かさと比較してみれば、一目瞭然でした。もう一つ、筆者がアメリカの教育から学んだことがありました。それは、文学作品を子どもたちに教えるときは、そこで使われている表現の技術を教え、その技術を使って自分自身の作品を創作させるという実践トレーニングです。それも、「美術」「音楽」「社会科」と連携しながら授業を行います。

 文学作品を読解した後には表現の技術を分析し、その後にその技術を自分のものに出来たか確認するためのオリジナル作品を創作するという一連の流れが用意されています。筆者が担当した学校だけでなく、どの学校も12年間をかけてトレーニングを行いっているということでした。残念ながら、日本では学年が上がっていくに連れて「理解力」や「正確さ」が求められるようになり、「想像力」や「発想力」は重要視されません。教科書に載っている文章読解から一歩進んで、そこから受けた感情や考えを誰かに表現をみることは、社会生活を営む上で大切なことです。何かを発送し想像力を働かせてオリジナルの作品を創造し外に向かって表現する力のことを「創作力」と筆者は呼びます。そして最終的には、個人の感情や考えを誰かに伝えるための、あなた自身の言葉を見つけてほしいと言います。「読解」という山の頂上に、「自己表現」という旗を立ててほしいです。

【問題】

「読解」という山の頂上に「自己表現」という旗を立ててほしい、とはどのようなことか。わかりやすく説明しなさい。

【解説】

筆者の考えを全体から眺めると分かりやすい問題です。ただ、その考えの先にあるものも合わせて考えてみることが大事だろうと思います。まず、筆者の主張を要約すると、作品を「読解」して、そこから受けた技術力と世界観をもとに自分なりの表現力を養っていくことが大事だということになります。その理由としては、筆者の言葉を借りれば「そこから受けた感情や考えを誰かに表現をみることは、社会生活を営む上で大切なこと」だからです。ぼくも含めてですが、常日頃どれだけ自分の言葉で物事を表現することが出来ているでしょうか。有名な人の言葉を借りて話をすることはよくあります。でも、それは人の言葉を借りるだけで自分の言葉ではありません。話が少しそれますが、記述問題に慣れていない学年の子どもに勉強を教えているときに、物語の解説をした後に自由に書いてねということがあります。そのとき、ハッと思わされる解答を書くことがあります。これが子どもたちの感性なんだなと思うことがあります。その後、子どもたちを指導しているときにこの豊かな感性を削がない努力をしますが、やはり自分よりに指導してしまっているのではないかと思わされることがあります。

子どもたちに備わっている感性を育てることの環境作りはとても大切なことだと思います。話を元に戻しますが、子どもたちの感性が豊かに育ったなら、日本の在り方がどのようになるのだろうと思います。原さんが言っているのもそういうことだろうと思います。

【解答例】

さまざまな作品を通じて表現力と感受性を学び、自分の創作力を養うことで豊かな創造性を育み、豊かな人生を歩むと同時に社会の一員として豊かな社会を構築していってほしいということ。

 

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